2018年12月9日日曜日

り:理想像

昼の2時を過ぎて
南区で時々覗く定食チェーン店へ

バカにすんなよー
ここの唐揚げは結構クセになるんでぇ

この日は3時に来客の予定があって
食って出たらちょうどエエ時間になりそうじゃ

定番をオーダーして
スマホをイジりつつ待つことおよそ15分
どーかいのー今日は出て来るんが遅いのぉ
時計をチラ見したところに

新顔の中年男性店員が
奥からスタスタ速足で現れ

申し訳ありません
油の中に肉を入れるのを忘れておりましたっ!
もうしばらくお待ちください・・・

少々滑舌たどたどしく
深く頭を下げて スタスタ厨房に戻ってった

こんな時に限って コントかぃ?

















こりぁー3時に帰るのは厳しいかの?
待つこと暫し しかし意外と早く

大変遅くなりましたー
と衣がジュージュープチプチ音を立てる盆を
女性スタッフが運んできた


待った無しの状況で
嫌な予感は嫌な現実を呼んできた

一口目に猫舌野郎が急いだ分だけ
適量オーバーでパクついてしまい
熱うーー 慌てて皿に戻した肉片の断面は
ほとんど透明真っピンク

ダメだこりゃー
すっかり萎えたいかりや長介は
感情抑えてボタン押しスタッフを呼んだ

こりぁー 食べられんわ・・・

事情を受け止めた様子の
スタスタ中年男性店員が目を瞑り

申し訳ありません
今回お代は結構です! と直角お辞儀

そりゃー アンタ同然じゃろー と思うも 
小言ツッコミ一切口にせず
心の広い善良客装い
黙ってスタスタ店を出てきたの


その晩 布団の中で
火傷でぷっくり腫れた上の歯ぐきの奥を
ベロ先で撫でつつ

こういう場合の
カッコエエ男の立ち去り方を考えた・・・

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を:をかしけり