2022年9月25日日曜日

く:クラス分け

生まれて初めて親父に
旧市民球場に連れてきてもろーたのは
野球のやの字も知らんかった
おそらく1973年

これにしとけー

薄暗い階段踊り場の売店で
若鯉コージのサイン球せがむも在庫無く
代打カズヨシで我慢させられて
大いにハブテる兄貴の印象だけ残る

選手と子供の被る帽子は地味な紺色で
思い出も白黒の世界















その頃はもちろんのこと
戦後職業野球が定着して以来

巨人阪神中日と
大洋国鉄我がカープ

上と下は太い線引きで
強弱陽陰のイメージとして
ずっとこの仕分けが続いとる感じ

もしや今年は・・・
ヤクルト横浜のお次の仲間に
こっそり加えてもろーたら
初の完全陰陽逆転じゃ

いっそ楽しゅーなかった
シーズン終盤の
せめてもの望みにしとったが・・・


観客満員の地元で
初回から監督推しのエースが沈み
五割の夢もあっさり消える

3位に入っても五割以下なら
CS参加の資格は無しにするべきよ
とうそぶいて

あーあ 来期こそは
少しは映えるボスに変わらんかのー

2022年9月18日日曜日

き:決まり手

誰が言いだしたんか
なんでそうなったんかは諸説有るが

中学高校の顔見知りは
私の事を “ジー” と呼ぶ

中にはわざわざ
“さん” をつけてくれたり
前に “ジ” を足してくれる奴までおる


先週の日曜日
いよいよ今年のカープ見納めのナイター
流石に夜は寒いかのーと思案して

仕方なく
半パン諦め引っ張り出したジーンズには
年季が入り左ひざ上に大きなホコロビが・・・

ほれ 今流行りのダメジーじゃと
嫁娘に向け高らかに宣言すると

ダメジー履いた
ダメジジー
と酷い言われ方をされて

そこそこに傷つく














日課の朝のジョギング中に

小さいマンホールの端に引っかかり
おっとっとと前のめりになって
粘るもギリギリ耐え切れず
バタンと倒れるその寸前・・・

とっさの 前回り受け身 
一本!

出血など無くほぼ無傷

こりゃ新見先生のお蔭かのーと
喜ぶべきや
アシコシの衰えに沈むべきや

2022年9月11日日曜日

か:勝手に

いっといでー

自転車登校する下娘を
玄関口から送り出しをしている時に
よく見かける光景

国道沿いの歩道を
通勤の父親とお手々つないで歩く
黄色いランドセル

背負ってというより
むしろ乗っかかられた感じは
絶妙のシルエット

ちっちゃ

ふと 我が家を卒業して
仮免放流の二人のその頃を思い浮かべ

父として・・・
もうちーと交わることは出来んかったんか?
と考える 

寂寥感とは違うし
ノスタルジアともちょっと違う

妙な秋口














幼稚園バスの中で
幼子が亡くなる

朝母親から持たされた
水筒の中身は空っぽで
定位置の座席より少し前で
シャツを脱いだ状態で見つかったらしい

きっとこの子は・・・
引っ込み思案で
大人しい性格だったに違いないと
独り勝手に想像し

ダメじゃ やれん

久しぶりに悲しくて泣く


2022年9月4日日曜日

お:おてんとさま

8月最終週
31号線を川尻に向けて走行中
道向いで割烹着のオバサマが
プラカード持って座っとる

献血にご協力を!!

よしよし
帰りに大谷よろしく徳積もう


車止め勇んで献血バスの中のぞいたら
後ろから担当の男性に呼び止められる

どうやら事前に手続きが要るみたい













ガラガラの公民館内に導かれ
冷え冷えのペットボトルを渡された後
献血までの流れの説明を受ける

タッチペン持たされ画面に向かい
いま飲んどるクスリは無いんか?
海外渡航歴はどーや?
罹っとる病気は無いかぃ?等々
次々現れる質問事項にチェック入れて

ようやっと
最後の番人担当医師問診の椅子へ


ところで
出血とか炎症とかは有りませんね?


これが炎症と言えるかどうか
治りかけの口内炎が有ります・・・
と答えマスク取って唇めくる

これはまだ治癒過程という段階で
献血はまたの機会に・・・との非情宣告


こんなにも大人数で大掛かり
あんたら血が足りんのじゃないんかぃ?
茫然自失の心の中で叫ぶ

これは呉市からの気持ちです・・・と
出口で割烹着集団から
手土産まで渡される情けない有様

これも結局は税金ですわなぁ・・・


さてこのたびの私の行為は
オテントサマに
徳としてカウントされたんか否か

わ:ワニ