郊外の整形外科
まだ１２時半前にも関わらず
珍しく待合室の患者はもう疎ら
久しぶりに院長の顔見て帰ろー
受付で名刺出して呼ばれるのを待つ
しかし察するに
ケガの処置と紹介状作成の為か
なっかなか呼んでもらえんのじゃ
１３時はとうに過ぎても
待合室にはまだ一組家族がおって
７０過ぎの老夫婦と
中年娘に小学生男孫の計４人
しっかしまぁとにかく
この爺さんがやかましい･･･
なんやーもう誰もおらんじゃないか
何しょーるんや 早よーしてもらえーや
もう１時過ぎたでぇ よいよ
帰りに何か買うて帰るんじゃろーが
早よー金払うて帰ろーや
のー まだか？
その都度 奥さんが･･･
来たのが遅かったから
今まだ忙しいんよね
ちょっと待っとって
少し黙っとって
まだ呼ばれてないでしょ
まだよね
なんやーもう誰もおらんじゃないか
何しょーるんや 早よーしてもらえーや
もう･･･ ･･･ ･･･
わーーー よーしゃべる
このリフレインがずっーと止まらんの
その晩食卓で
このイライラにひたすら耐え忍び
そのあと先生と商談した今日の話をしたら
まあまあウケたが
共感されることは無く
お父さん
なんかそんな爺になりそうなよねー
ならんとってーよホンマ頼むけぇ
と二人から思慮なくイジられる
何か
不安になってきたわ
そうですか
見つかったんですね
それは本当に良かったです
電話越しとはいえ
久しぶりに
人から祝福をしてもらう
でも相手はケイサツ
というのも 金曜日
帰省した友を囲んで輩と痛飲
翌朝の仕事を盾に中座する算段は
当然のように脆くも崩れ
とうに日付変わってゴゼンサマー
なんのこたーないわ
タクシー降りて自宅に帰り
くたくたのスーツから解放されて
気が付いた
あれ？ 財布は？
玄関先をぐるり下向きで徘徊し
女房殿の勧めでヒャクトーバンに電話
財布の中身と特徴など告げた後
出張帰りの疲労と酔いには勝てず
明日のお勤めに備えて
まずは寝ることにする
翌朝冷静に明るくなった玄関先を
一回りした後自室に戻り
ちょっと待てよー･･･
財布置き場と小箱のスキマで眠る彼を
５時間ぶりに発見して思わず小踊りし
女房殿の深ーいため息を聞いたことを
自省の念を込めて
ここに書き留めておこう
こないだのチャリの鍵といい
営業車座席下の要冷蔵ロールパンといい
プライドも自信もペッタンコの
夏の終わりの候
長いですよねー
その携帯
たまに会う人からのこの一言が
チクリ
結構プレッシャーになる
新しいものが嫌いなわけじゃないが
使ううち情けも移り
昔の大原麗子のＣＭよろしく
ながーく愛したい派なのは事実で
そして なにより
携帯やらパソコンに関しては
あのメンドクサ儀式がとにかく･･･
でも実は最近いよいよ
帰宅する頃の充電残量が３割程になり
連休待って
携帯ショップに予約を入れる
このコロナ時期
予約優先の効果もあってか
店内お客も疎らで反って緊張するわ
わたしゃーとにかく
かさばるモノを持ち歩くのが苦手で
機種選定の最優先はまず小さい事
居並ぶサンプルの中から
速攻２秒で新しい子を見初める
その後やっぱり
メンドクサ儀式はあったけど
担当者の手さばきも軽やかで
めでたく契りを交わしましたとさ
今までご苦労さんでしたの青い子
これからながーくよろしゅーに
オレンジ色の君
社会人になって早々の研修で
人と会って話をする時には
くれぐれも政治と宗教の話題は避けるように
と教えられたが･･･
まさに今
二大素材がチャンプルーされて
大皿に盛られた感じ
３０余年前の学生時分
原理研とかの怪しい団体には
絶対に近づいたらアカンでぇー と
こっちは先輩マネに教えられたのが懐かしい
その後しばらくして
あの合同結婚式なる
白黒服のカップルの異様な映像にゃ
度肝を抜かれたたりもしたが
いまや選挙での当落を決められる程まで
成長しとってんじゃ
しかし
その大勢のお仲間群衆の中で
ガッポリもろうとる人と吸取られとる人
カラクリ知る人とすがって生きとる人の
割合はいかほどなものか知りたい
転勤から何年かぶりに帰還した
仕事仲間との食事中
お付合いの長い共通の知人の話題になり
その知人が常々カブリモノを
装着されているという事実を知る
知らんかったわー
ははーそれでかー
と今になって腑に落ちることも
でも要らんかったわー
その情報･･･
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