一周忌も終わり
穏やかな秋晴れの今日
予てからのオフクロ様の希望通り
親父が生前愛して永年遠路通い詰めた
瀬戸内の海に花を浮かべ骨を一片沈めた。
齢を取るにつれ
足腰がだんだんと弱ってきた晩年
波止から漁船までの細い渡り板を
クーラー抱えてよー渡らんけー
付き合うてくれーやー
前々から伝え聞く逸話から
その船の居心地の悪さは
ある程度覚悟しながら
一度だけ部下のゴトウ君も誘って
３人で乗り込んだのが
２年前の初夏。
案の定・・・
最若のゴトウ君に
おい お前 ！
ここに座って釣れー
バカたれー！
餌にするエビも生き物でぇー
無駄にするなやー 云々
恐らくは
人見知りでぶっきらぼうなタチなんでしょう
海で生きる漁師としての
職人的気質とかもあるんかもしれん
しかし その物言い その態度・・・
船の中でのルール秩序は
アレコレ事細かいのに
吸ったタバコ 呑んだビールのアルミ缶
昼に食った弁当ガラに至るまで
自分の仕事場の透きとおった海に
平気でポイポイ放り捨てる・・・
なんじゃそりゃぁ？
そもそも このオッサン
人としてどうなんよ？
わたしゃ
こういうのが一番嫌い。
んーーー いけん いけん
親父の古い馴染みじゃけー
今日は絶対喧嘩しちゃーいけん
半日じーっと我慢した憤怒の感情は
未だ忘れられず
親父殿には申し訳ないが
二度と顔を見に行く気にはなれんかった・・・
しかし元々短気なアナタが
よーも その船頭と
２０年も付き合うてきたねぇ
感心するし 不思議じゃわー
もう１回
でっかい鯛を釣りたかったんじゃろのー
ようわかっとったよ
すまんかったのぉ。
無理じゃったわ。
でもまぁこれから存分に
釣りを楽しんでくだされ。
風の無い 潮の良い日に。
ちょっと お疲れですかぁ？
金曜日にも
某整形外科の
まだ知り合ったばかりの
理学療法士さんから指摘される・・・
これですか？
いやー お恥ずかしい
そういうことなんでしょうかねぇー
と答えておいた。
持って生まれた体質なのか
培われてきた気質なのか
これまでの人生で
何度も何度もタダレてきた
ウワクチビル
月曜日に自覚した
ハレボッタサは
木曜日に熱感のピークを迎えた。
口唇ヘルペス痛いでしょー？
どうされました？
遊んでばっかりおるけーよ 云々
ドクター
看護師さん
受付の女性
リハビリの助手さん などから
数々の祝辞を頂戴する。
右側に１センチ
鏡で見ても
そんなにヒドイ程ではないのにねぇ
なぜだか今回に限って
仰山の人にチェックされた
ご心配いただき恐縮です。
でもこんなに言われるとは・・・
今週は 突っ込まれ易い
バイオリズムということか？
しばらくは
カサブタも目立つんじゃろーけどねぇ
上娘がスマホで
家族を２人捕まえて写真を撮り
片隅で何やら盛り上がっとる
どうやら 両者の顔のパーツだけ
左右移し替えて加工するアプリで
イメージの変化を吟味しているらしい
とうとうボクにもお鉢が回ってきて
法事で帰省してきた息子と
並んでソファーに座らされ
パシャリ・・・
何これー 見てやー
ホンマ 全く一緒じゃーん
違和感が全然なーい
それまでとは少し違う趣きで
超オオウケの諸子面々
んー
ココでは
オチに使われた・・・
秋晴れの休日
家族四人で黄金山に墓参り
帰りの細い下り坂の途中
山肌の傾斜で
墓掃除に勤しむ
超姉さん女房の旧知ご夫妻に
ものすごーく久しぶりに遭遇し
いやー ご無沙汰しておりますー 云々
短く言葉を交わす。
それでは失礼しまーす
会釈して歩き始めた その時
丁度道端に
真っ赤な彼岸花を見つけた ボクは
あー
ヒ・バ・ン・ガ・ナ じゃー
と指を差す
違うよー
オ・バ・ン・ガ・ナ よー
と下娘
なんでぇー バカじゃー
メッチャ
オ・バ・ン・ダ・ナ よー
ねー おとうさん
オバンジャガナ かも
キャハハハー
上娘が遂に ここで
トドメを刺してしまおうとは・・・
ボクは
少々背筋が寒くなり・・・
アホかー 何でやー
ヒガンバナ じゃー
ワッハッハー と
少し大きな声で親として場をとりなす
恐ろしゅーて
後ろを振り返ることは出来ず
つい速足になって帰ったけど・・・
不都合な部分が
あの奥方には
聞こえとるかもしれんわ
どーしょーか
もし 気分を悪くされていたら
申し訳ありません
全く他意は有りません
たまたま 前の日から
我が家限定で流行っとる
コトバアソビに過ぎません・・・
ので
追われる立場の
カープが勝ち上がって
うれしいー というより
正直ホッとしたわ。
おかげさまで
今月末まで
楽しみが伸びました。
相手は北か西か分からんが
もうエエわ 十二分に素晴らしかった
ここまで来たら もうちょっとじゃ
よーし 思う存分 楽しもう
さぁ 好きなようにやってくれぃ
のぉー
さて
どっちが来るんでしょうかねぇ
水曜日からのクライマックスシリーズ
しかし 他所のイクサは
こんなにも 気楽に見られるんじゃねぇ
とは言え こっちは
高みの云々の境地には
まだまだ至らぬ不慣れな子羊。
どうしても・・・
セルフコントロールが難しい。
いやー せっかく優勝したのに
しぱらく 待たされるし
練習相手おらんし・・・
クライマックスシリーズ？
やっぱり 変な仕組みっしょー？
チームの真のファンの本心としては
レギュラーシーズンのペナントを逃して
２、３位から日本シリーズ出場狙うより
ちゃーんと順序を踏んだ上で
頂上を狙うということが一番大事よね
たとえ勝ったとしても
あんまり嬉しゅー無いじゃろー
長ーいシーズンを
最後の最後まで競って敗れた
仇討に賭けるＳＢのファンの気持ちは・・・
解る気がするけどねぇ
今年のセリーグ制覇が
こんなにも喜ばしい超一大事なら
臥薪嘗胆 しっかりと２５年
ジリジリ我慢してきた甲斐が有ったというもの。
今更ながら
勝率５割にも満たんオマケの３位で
初めて敵地甲子園に挑んだ３年前に
マグレででも そのまま
登りつめんでヨカッター と
心から思うんよ。
カープ女子が流行り始めた
当時の秋を思い返しても
三次まで蕎麦食いに行っとったり
親父仲間でボーリングしとったり
なーんか 気合入らず 終戦モード
真面目にテレビラジオで
観戦した記憶がございません。
所詮はヘンテコな制度よぉー と
勝負は気になるんじゃが
勝っても感情が湧き立たん
妙な違和感が有ったような気がするわ。
でもショウガナイ
決まったことじゃけー
よーし 絶対に
パリーグとやろうでぇ
やるでぇ 頼むでえー
ショウミナハナシー
宇部で初めて入ったラーメン屋
黒茶系でシックな外観の
コジャレた店に入ると
中は意外と広くて
テーブルが３、４脚 と
ずらーっと１０人は座れるカウンターが
壁隔てて向い合わせるように２列。
しかし
先客はテーブルに１組２人オンリー
ちょっと不安。
黒で統一の仕事着で数名の店員が待機。
苦手な券売機を案内されて
彼女らの視線を気にしつつ
辛い系ラーメンを選んで
カウンターの端っこに座ったら・・・
徐に
てっきり壁じゃと思うとった正面のスダレが
ザッ と開いて
コップを持った女性が顔が出た。
うわーーぁぁ と
恥ずかしい声を上げてしまうくらい
ボクは 心底驚いてしもーた。
ドリフかぃ ここは・・・
ビックリシタナァーモー
ラーメンが出てくるまでの間に
しげしげと店内とメニューを観察。
一席一席
壁にピンポンボタンとティシュボックス
回転ずしみたいに
水道蛇口がついとるで。
ははーん
行ったことは無いけど
博多の一蘭とかいうチェーン店を
意識しとるんじゃの ここは・・・
シーンと静かな店内で
ラーメンあがりましたー との声
今度は絶対驚かんけぇーの。
スダレが開いて
黒い鉢がすーっと置かれた。
よしよし。
味は・・・んん まあまあ かね。
目の前のピンポンを押したら
ちょっとして スダレ開いて女性がニッコリ。
ほーら
もう 慣れたもんよね。
替え玉は食券を買うんですか？
いえ １００円をここで頂戴します。
ふーん ここで現金渡すんかー
ちょっと変わっとるねぇ
きたる次の攻撃に備えて
正面向いて身構えとったら
替え玉でございまーす
皿を持った別の女性が
なんと 今度は
背後から攻めてきた。
後ろからなんですの？
替え玉は・・・
シンキゲキかぃな。
アンタらは
ここ 不思議ー
