2016年10月30日日曜日

に:忍

一周忌も終わり
穏やかな秋晴れの今日

予てからのオフクロ様の希望通り
親父が生前愛して永年遠路通い詰めた
瀬戸内の海に花を浮かべ骨を一片沈めた。


齢を取るにつれ
足腰がだんだんと弱ってきた晩年

波止から漁船までの細い渡り板を
クーラー抱えてよー渡らんけー
付き合うてくれーやー

前々から伝え聞く逸話から
その船の居心地の悪さは 
ある程度覚悟しながら
一度だけ部下のゴトウ君も誘って
3人で乗り込んだのが
2年前の初夏。


























案の定・・・

最若のゴトウ君に


おい お前 !
ここに座って釣れー

バカたれー!
餌にするエビも生き物でぇー 
無駄にするなやー 云々

恐らくは
人見知りでぶっきらぼうなタチなんでしょう
海で生きる漁師としての
職人的気質とかもあるんかもしれん
しかし その物言い その態度・・・


船の中でのルール秩序は
アレコレ事細かいのに
吸ったタバコ 呑んだビールのアルミ缶
昼に食った弁当ガラに至るまで
自分の仕事場の透きとおった海に
平気でポイポイ放り捨てる・・・

なんじゃそりゃぁ?

そもそも このオッサン
人としてどうなんよ?

わたしゃ
こういうのが一番嫌い。


んーーー いけん いけん
親父の古い馴染みじゃけー
今日は絶対喧嘩しちゃーいけん

半日じーっと我慢した憤怒の感情は
未だ忘れられず
親父殿には申し訳ないが
二度と顔を見に行く気にはなれんかった・・・


しかし元々短気なアナタが
よーも その船頭と
20年も付き合うてきたねぇ
感心するし 不思議じゃわー


もう1回
でっかい鯛を釣りたかったんじゃろのー
ようわかっとったよ

すまんかったのぉ。
無理じゃったわ。

でもまぁこれから存分に
釣りを楽しんでくだされ。

風の無い 潮の良い日に。

0 件のコメント:

コメントを投稿

わ:ワニ