わ：わすれられんの

産業会館の近くの国道交差点
ギリギリのタイミングで赤で止められ
南を向いて無念のポールポジション

ふと右前方の横断歩道上の異変に気付く


大変失礼ながら・・・

普段　もし道端ですれ違ったら
あまり見ないようにするでしょうねー風の
前後のカゴやハンドルにアレコレ荷物を
まとまり無くまとったオバサンの自転車が
路面電車の溝にハマったか
軌道の石畳で派手にコケとってんよ

少し冷静になって
隣りと後のドライバーの様子を見渡すも
賛同者は居そうにないんじゃわ

よしっ

ブレーキかませて　ハザードたいて
怪我は有りませんかーと　救出に

先ず自転車起こして
歩道にエスケイプさせて

何じゃこりゃ？
ビニール袋には紫玉ねぎ？
こりゃ下駄の片っぽ？　なんぞを運んで
信号が変わるまでに危険回避補助活動

ありがとうございましたー

急いで車に乗り込む後頭部に　
のんびりとしたお礼の言葉をいただく

どういたしましてー
フーーー

というのもですねぇ・・・

むかしむかしの高校時代　基町辺りを
Ａ君と二人で歩いとった時の光景が
今でも忘れられんのよ


東西長い横断歩道の真ん中で
酔ってヘベレケ　ひっくり返って　悪態つく
ホームレス風の３拍子も４拍子も揃った
オッサンに出くわしまして

嫌ーな予感は的中して・・・　
案の定　Ａ君の真骨頂スイッチＯＮ！
脇に手を廻して起こそうとしよるじゃないかぃ・・・

その時　ボクは
どうにもジョインすることが出来ず
渡った歩道からの傍観者

要らんこと　するなやー　とオッサンに
振り払らわれながらデッカい声でドヤされて
そのうち信号も変わって　
だんだん見世物の様相になって


面倒なイキサツと救いようのない結末
不条理のトラウマが今でも残っとる

クロレキシ？
その時　やっぱりボクには無理じゃったね


年賀状のやり取りだけで
しばらく会うとらんが
元気でやっとるんじゃろーか？
Ａ君は