ふ：不束者ですが

正月元旦に
銀歯が取れてから
何年かぶりに
クボ先生のとこに通う。


予想通り・・・
取れたその歯だけではなく
ありぁー　ここもかぁー　と
アチコチ　次々と悪事は見抜かれて

ジュンちゃん・・・　
まぁ　頑張ろうね　・・・

もう　そろそろ４０年？
中学１年２組のミギリからの
永ーーい友の
優しくも　これから先を暗示する言葉に
申し訳なくもあり
恥ずかしくもあり
まったく・・・　情けなくもあることよ。

























歯科診察台では
正に　俎上の鯉
でも　世話になることへの
恩返しのつもりで　ボクは・・・

お目々は堂々と閉じて
お口はさらに潔く
これでもかと　大きく開けて

キィィーーーン　キュルキュル
身の毛もよだつドリル音と振動にも
全く動じない平静を装い

うがいを促す衛生士さんの指示には
ハイッ！と気持ち良い返事を心掛け
礼儀正しい優良患者を演じているつもり。

しかし・・・時折
瞑ったマブタの向こうから聞こえる

うわーひどいのぉー　とか
こりゃボロじゃ　とか
んー　ダメじゃったかぁ　とかの様な

師の発する
マスク越しでハッキリ聞き取れない
小声でツブヤく独り言と
フゥーー　という溜め息が　
けっこう　心に刺さるのよ。


お願いです・・・

しばらく　歯抜けのオッサンで
我慢しますけぇ・・・
これからも　見捨てず
優しくしてつかぁーさい。