そ：爽快？

真っ暗な部屋
秋の夜長の丑三つ時
夢の中で
右の膝裏が　なんか　カイイ

まさか・・・　
蚊じゃぁー　あるまいのぉ
そのまま　うつらうつら・・・

プーーーーン

耳元で嫌ーな羽音が・・・

マジかいなー　くそー

そうか　勝負せんといけんのか
仕方がないので電気を点ける。


程無く
ハンガーの白シャツに留まる
茶色の小さいターゲット発見。

よーしよし　力を込めて
上から　バーン　と・・・

でも　待てよー
このまま　叩くと　シャツに血が付くし・・・

指で　そーっと　摘みにかかると

その敵は嘲笑うかのように
どこかに飛んで消えた・・・

この最初の躊躇が　これから先の
長い闘いの入り口になろうとは・・・

カイーー

しかし
この時期の蚊に刺されると
とにかくメチャメチャ痒い。


隣の下娘が
いつものように薄気味悪ーく
半目を開けて眠ったまま
夢の中でアゴを掻いとる・・・

そうか　お前も刺されてしもたんかぃ・・・

我等　同じＢ型仲間
家族の犠牲は不思議と毎回　我等。

おーのーれー　
わしゃー　もー許さん。


でもね　
これが　なかなか見つからんのよ。
情けない・・・

そのうち不本意に目が覚めた
女房と下娘の３人体制で
おーい　どこやーーー？

本棚　カーテン　天井
隅から隅まで探してみるも
どうしても　見つからん・・・


ここはワシが頑張る
眩しいが　お前ら寝とけー　と
カッコつけた　その時
壁と本の間から飛び出る敵機発見！

コノヤロー　
思い切りピシャリと合わせた
掌のど真ん中に
ペッタンコの宿敵を確認す・・・

どうじゃ　今年一番の当たり
バックスクリーンに突き刺さる！

良かった―　
３０分に亘る真夜中の決闘劇　
遂にサヨナラ　一件落着。


でもねぇ　眼が冴えて
そのあと・・・　
なかなか　寝られんの・・・

ダメねぇ。