け：気配

ボクの帰宅時間と塾からの帰りが
丁度重なった下娘。

顔を見るなり・・・

“　あー　今日は　　
　何かこの辺がスース―するんよねー　”

と　わざとらしく言う。


先に階段を上るボクの背後で・・・

“　お父さん　気付かんのじゃー　”

と　隣の女房殿に小声で囁く。


“　わかってますがなー
　なかなか
　カワイイ服じゃありませんかー　”

と　何とか取り繕う・・・
ギリギリ　セーフ。

“　なんじゃー　気が付いとったんじゃー
　あー　良かった。
　この前買うてもろうたんじゃー
　大人っぽいでしょー　”

と　うれしそう。


まだまだ全然子供ですが
オンナはうるさいですなぁ
でも　いつまで　気にしてくれるんですかな
秋ですな。



洗面台の鏡の前で上娘。

“　わたしー　絶対
　これくらい髪切った方がカワイイんよねー
　友達みんなに　言われるんよー
　切ろっかなー　
　ねー　どう思う？　”

“　んー　まー　そうしんさいや・・・　”


こやつも　まだまだヒヨコですが
ますます　日に日に　うるさいですな
しかも　大分　自信過剰ですな
秋ですな。

“　私も
　まどか　ぐらいに　髪切ろうかなー　”

と女房殿もポツリ

もしや
ボクに言っているのでしょうか？

・・・・・・・

秋ですかな。



もう一人
息子はというと
今日も　ニコニコ　メシを食う

“　これっっ　　うんまぁーーー　”

んーー

やっぱ　秋じゃわ。